海外特派員リポート

中国でEV販売急増「客が受け入れはじめた」その理由

小倉祥徳・毎日新聞中国総局(北京)特派員
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中国自動車大手のEVショールーム=北京市内で2021年12月12日、小倉祥徳撮影
中国自動車大手のEVショールーム=北京市内で2021年12月12日、小倉祥徳撮影

 中国で電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)の販売が急増している。中国自動車工業協会によると、2021年1~11月の販売台数は前年同期比2.6倍の299万台で、新車販売全体に占める割合は12.7%にも達した。半導体不足などの影響で市場全体が伸び悩んでいるなか、いったい何が起きているのか。

11月の販売シェアは17%台

 「12月31日で政府の補助金が減ります。展示車は(今なら)2万元(約36万円)引きです」「15分の充電で200キロ走ります」。北京中心部のショッピングモール内にある中国自動車大手のショールームを週末訪れると、EVの販促が盛んに行われていた。

 NEVの販売シェアは20年通年では5.4%にとどまったが、自動車市場全体が伸び悩むなか月を追うごとに上昇。21年11月の単月では17.8%に達した。「新車販売に占めるNEVの比率を25年に20%に高める目標は前倒しで達成できそうだ」。同協会の幹部はNEV販売の好調ぶりに自信を見せる。NEVと呼んでいるが、現在8割超をEVが占める。

 背景には、中国政府の支援がある。環境対策と自国の自動車産業の強化との「一石二鳥」を目指す政府が強く支援しているのだ。メーカーに1台販売するごとに最大1.8万元を支給。ユーザーにはNEVの購入税を免除している。

 また、中国では都市部の自動車台数を抑えるため、ナンバープレートの発行数を制限したり、取得費用を高く設定しているが、NEVの場合は優遇措置を設けている地域も多い。メーカーは、政府の補助金を元手に、充電にかかるユーザー…

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小倉祥徳

毎日新聞中国総局(北京)特派員

東京都生まれ。2001年入社。秋田支局を経て06年から東京経済部で財務省、内閣府、経済産業省、国土交通省、日銀、証券、エネルギー業界などを担当。17~19年には中部本社でトヨタ自動車などを取材した。東京経済部、外信部を経て20年10月から経済担当の中国総局(北京)特派員。