
愛知県岡崎市が運営する「岡崎ビジネスサポートセンター」(オカビズ)は、「相談すれば売り上げが上がる」と評判の中小企業の無料相談所だ。新型コロナウイルスの感染拡大以降、約150件の新規事業の創出を手伝い、経営に苦しむ中小企業を支援してきた。オカビズのセンター長を務めてきた秋元祥治さん(42)のインタビュー2回目は、支援事例をもとにコロナ禍のビジネス環境の変化について聞いた。【毎日新聞経済プレミア・田中学】
オカビズ・秋元祥治さんに聞く(2)
――オカビズはコロナ禍で150件ほどの新規事業の創出を支援してきたそうですね。どんな事例がありますか。
◆秋元祥治さん 年配のご夫婦2人で切り盛りする和菓子店はコロナ禍前より売り上げが増えました。新しく設備投資をすることもなく、かけたコストはほぼゼロ円です。
相談を受けたのは昨年5月で、最初は助成金のことでした。コロナ禍でご進物にする菓子折りが売れなくなり、売り上げが前年比4割減になっていました。
――自粛で菓子折りのニーズがなくなってしまったのですね。
◆そうです。メインの顧客の年齢層が高く、高齢の方ほど自粛していました。店のウリはどら焼きでしたが、こちらも売り上げが落ちていました。
一方で、世間ではホットケーキミックスやお好み焼き粉の「蒸発現象」が話題になっていました。洋菓子店はにぎわっていましたし、自宅でケーキを自作する人も増えていました。
――ホットケーキミックスなどが一時スーパーの店頭から消えていました。
◆「これだ!」と思い、「どら焼きの皮とあんこ…
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