シニア市場の正体

若者と違う“親目線”推し活 2021年シニアトレンド

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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 毎年、年末になると「流行語大賞」や「ヒット商品番付」が発表され、メディアがその年のトレンドや象徴的な出来事を振り返ります。私が所属する「ハルメク生きかた上手研究所」は顧客の声や動向を分析し、独自に2021年の「シニアトレンド」を12月7日に発表しました。当社で初の試みです。

 シニア世代も新型コロナウイルス禍の激動に身を置いています。21年は長い期間、緊急事態宣言下で過ごすことになりました。東京五輪やワクチン接種といった出来事があった中、当社はシニアのトレンドとして次の八つを取り上げました。

 それは「スマートシニア元年」「華やかマスク」「“親目線”推し活」「古着でSDGs」「おうちで検診」「カジュアル終活」「本気いたわりグッズ」「“おさぼり上手”料理」――です。今回はこの中の六つのトレンドを三つのテーマに分けて紹介します。いずれも大なり小なりコロナ禍の影響を受けたトレンドといえます。

スマホがより身近に

 一つ目のテーマは、社会の変化の影響を大きく受けたトレンドです。これには「スマートシニア元年」「華やかマスク」の二つが挙げられます。

 最初に「スマートシニア元年」です。コロナ禍前のシニアは「スマホは持ったが、利用する機能は電話やLINE、写真撮影だけ」というケースが大半でした。

 しかし、その状況がコロナ禍で一変しました。「感染リスクが低い」という観点から、シニア世代でデジタルシフトが起こっています。ワクチン接種のオンライン予約も流れを後押しし、ネット通販やキャッシュレス決済を利用するシニアが増えました。シニアが抱く「インターネットやスマホは怖い」という感情を乗り越えた年でした。

 次に「華やかマスク」です。マスクが必須アイテムとなる中、若い世代が眉やアイメークで顔の上半分を凝るのとは対照的に、シニア女性は顔の下半分をマスクで華やかにすることにこだわる傾向が見られます。

 20年は「(マスクで)呼吸が苦しく、コロナが終わったら早くはずしたい」といった声が多くありました。しかし21年は「口元のシワやほうれい線、たるみを隠せてむしろ都合がいい」と気づく人が増えました。また「服装や気分に合わせて気軽で華やかに個性を演出する」ためのアイテムと捉えるケースも増えています。当社の関連会社の通販カタログでは、柄物や色にバリエーションがあるマスクが人気です。

シニアの“推し”は?

 二つ目のテーマは、若者の潮流がシニア世代に影響したトレンドです。「“親目線”推し活」「古着でSDGs」がこれに当たります。

 まず「“親目線”推し活」です。そもそも「推し活」は…

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。