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子の大学資金で「消える貯蓄」共働き夫婦の家計見直し

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 会社員のA太さん(49)は、派遣社員の妻(49)と高校生の子供(18)との3人暮らしです。コロナ禍の影響が少なからずありますが、今冬もボーナスが出ました。これまでは特に資金の計画を立てずに欲しいものを買って、残りを貯蓄していましたが、来年は子供が大学に進学する予定で、数年間教育費の支出が大きく増えます。A太さん自身、50歳を迎えるため今後の資金プランを立てたいと、私のところに相談に来ました。

お金の問題「3ステップ」で解決

 現在のA太さん夫婦の手取り年収は約750万円で、貯蓄額は約600万円です。貯蓄は、来年から子供の教育費を負担すると、かなり目減りするでしょう。A太さんは、自分と妻の老後の生活費が足りるかどうか不安に感じていました。

 A太さん夫婦は老齢厚生年金を受け取ることができますが、それでも足りないお金は自分たちでなんとかするしかありません。足りない分のお金を一度に手に入れることは難しいものです。人生の持ち時間の中で、計画的に進めていくことが大切です。お金の計画を立てるのは、年末年始がおすすめです。

 人生のお金の問題は、(1)老後の備えに必要な貯蓄額を計算する(2)実際にその金額をどのようにためるかを決める(3)実行する――のステップを踏むことで解決します。

 簡単すぎると思うかもしれませんが、これ以上のことができるわけではありません。逆に、これさえできれば、お金のことであれこれ悩むことはないでしょう。人生には、お金の問題よりも大切なことがたくさんあるはずです。これまで貯蓄に失敗してきたから今後も無理では、と考える人もいるかもしれません。しかし、上記のステップを着実に踏むことができれば問題はなく、過去の失敗も成功も関係ありません。

まず必要な貯蓄額を決める

 私は、A太さんに「今からでは遅いということはありません。なるべくシンプルにお金の問題を解決していきましょう」と伝え…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。