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コラム「松尾貴史のちょっと違和感」休載で抱く喪失感

山田道子・元サンデー毎日編集長
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毎日新聞「日曜くらぶ」のコラムが人気の松尾貴史さん=大阪市福島区で2016年4月21日、山田夢留撮影
毎日新聞「日曜くらぶ」のコラムが人気の松尾貴史さん=大阪市福島区で2016年4月21日、山田夢留撮影

 なんか変! ない! 毎週日曜日の毎日新聞は真っ先に、別刷り「日曜くらぶ」2ページのコラム「松尾貴史のちょっと違和感」を目指す。ところが12月19日の日曜日、ページをめくるも見当たらず、喪失感を抱いた。

 松尾さんは肺塞栓(そくせん)症のために緊急入院。出演中の二兎社公演「鷗外の怪談」で文豪、森鷗外役を演じていたが、12月の地方公演は中止となり、「日曜くらぶ」のコラムは休載となったのだ。

 松尾さんのコラムは日本の政治や社会に切り込むものが多く、日曜日に留飲を下げた読者は多いのではないか。個人的には8月29日の「国会議員の世襲」を取り上げたものが痛快だった。

 「その家に生まれた子どもが、安定した生活で『腹がすいて困窮した』などという経験もなく育ち、世の中をどうしようという志が生まれるのか疑問だ。(略)メディアも『サラブレッド』などと持ち上げるのを見ると、単なるちょうちん広報のようで、その報道機関には疑問も批判精神のかけらも感じられない」と辛辣(しんらつ)だ。

朝日新聞の日曜版には

 松尾さんのコラムはもともと本紙に掲載されていたが、その後、日曜くらぶに。毎週、松尾さんのコラムに発見があったので、他紙の日曜版別刷りにも「発見」を求めるようになった。

 宝物を見つけた感じを抱いたのは、作家の小池真理子さんが朝日新聞の日曜版に連載していたエッセー「月夜の森の梟(ふくろう)」だ。37年間生活をともにした夫で作家の藤田宜永さんを肺がんで失った小池さんが、喪失感をかみしめつつ、「近しい人の死とは、生きることとは」を思考する。2人…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。