
現代オタク文化の光と影(2)
「推し活」は現代のオタク文化を読み解くうえで重要なキーワードだ。2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。だが「推し」とは自分の好きな人やモノのこと。そのために活動するというのは昔から誰もがやっていたことだ。それがなぜ今、注目されているのか。ニッセイ基礎研究所で現代の消費文化を研究する廣瀬涼さんに「推し」の歴史から解説してもらった。
──「推し」という言葉はいつごろからあったのでしょうか。
◆廣瀬涼さん 実は1980年代のアイドル文化の中でも「推し」という言葉は存在していたらしいです。でも当時は「親衛隊」などの言葉のほうが有名でしたね。「推し」という言葉がファンの会話に頻繁に登場するようになるのは、モーニング娘。(97年結成)が出てきてからです。
2ちゃんねる(当時)に「狼板」という「モーニング娘。」専門の掲示板があって、そこで「推し」が使われ始め…
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川村彰
経済プレミア編集部
1974年静岡県生まれ。広告記事等のフリーライターを経て、2015年4月、毎日新聞デジタルメディア局に配属。
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