
星野リゾートの星野佳路代表は、先代から長野・軽井沢の古びた温泉旅館を引き継いで30年になりました。ファミリービジネス(家業)ならではの良さを生かしながら変革を実践し、今では社員約3800人を抱え国内外52の宿泊施設を運営する企業へと成長させました。星野さんは次世代への事業承継をどのように考えているのでしょう。2回にわたり、星野さんが語ります。
星野佳路の家業のメソッド
星野リゾートは今後も、ファミリービジネスの形態を維持していきたいと考えています。最初にファミリービジネスの定義を確認しておくと、それは株式を上場していないという意味です。ファミリービジネスであっても、創業家から経営者が出る場合もあれば、経営者を出さない場合もある。両方のパターンがあり得ます。
私がファミリービジネスの形態を続けていこうと思っているのは、星野リゾートには株式を上場する必要がないと考えているからです。
企業が資金調達をする場合、金融機関から融資を受けるか、投資家から投資を受けるか、株式を上場して一般投資家から資金を集めるかという三つの選択肢があります。株式上場で資金を調達して、競争力を劇的に高めるような投資に振り向けられるのであれば、その企業は上場すべきだと思います。
これに対し、星野リゾートは…
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