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働くがん患者を支援「傷病手当金」の支給ルールが改善

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 病気やけがで働けなくなり、給料が受け取れない場合、会社員らが加入する健康保険には、最長1年6カ月、給料の3分の2相当を給付する「傷病手当金」がある。働けなくなるリスクに備える重要な制度だが、2022年に入り、その支給要件のルールが改善された。病気の治療をしながら仕事をしている人にとって制度が一歩前進した。

勤め人と家族の生活を保障

 傷病手当金は、会社員が加入する健康保険や公務員が加入する共済組合など、勤め人を対象とした「被用者保険」の制度だ。

 業務外の病気やけがの療養で仕事を4日以上休み、給料の支払いがない場合、4日目から月給の3分の2を最長1年6カ月給付する。給料の支払いはあっても減額されている場合は、傷病手当金額との差額を給付する。

 もし、病気やけがが治癒せずに障害が残り、生活や仕事に支障が出ると、公的年金の障害年金が受け取れる。これは、国民年金や厚生年金の加入者が、初診日から1年6カ月後に法令で定める障害状態に認定されることが条件だ。

 制度は別だが、傷病手当金の支給期間は、障害年金と連動した設計となっており、障害年金までの「橋渡し」役として、勤め人とその家族の生活費を支える意味合いがある。

 ただし、健康保険と共済組合とではこの「1年6カ月」の扱いがやや異なっていた。健康保険は「支給開始日から起算して1年6カ月」を上限に支給するルールだが、共済組合は「支給期間を通算して1年6カ月」まで支給されるルールとなっていた。

がん治療「入院短期化と通院長期化」

 その差が生じるのは、病気で働けずに傷病手当金を受け取り始めた後、経過の良好や悪化に伴い、復職や休職を繰り返したような場…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。