
新型コロナウイルス禍の影響をもろに受けた外食業界。ここにきて新変異株「オミクロン株」が猛威を振るうなど「冬の時代」は当面、終わりそうにない。一体、外食はどうなってしまうのか。それが知りたくて訪ねたのは、日本初のファミリーレストランを作り、外食産業の礎を築いた「レジェンド」だ。そこで飛び出したのは、古巣に対する厳しい言葉だった。
「すかいらーく創業者」横川竟さんに聞く<上>
「安売りをしているだけじゃ、ファミリーレストランはだめになる。コロナ禍がそれを教えてくれた。大手ですら生き残れる保証はなくなった」
こう語るのは、横川竟(きわむ)さん(84)。外食業界でその名を知らない人はいないだろう。
1970年、兄弟4人で東京・府中に1軒のレストランをオープンした。店の名前は府中の市鳥「ひばり」を英語にした「すかいらーく」。日本初のファミレスだ。三男の横川さんはすかいらーくグループに加え、業界団体のトップを務めるなど、外食産業の表も裏も知り尽くした生き字引だ。
コロナ禍でも好調だったファストフード
新宿にあるオフィスを訪ねたのは、2021年末。横川さんは外食大手約70社の売り上げ推移をまとめた独自の資料をテーブルに広げながら業界の現状を詳しく解説してくれた。
「コロナ禍がプラスに働いたのはファストフード業界。マクドナルドは消費者が買い…
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