赤間清広の「ちょっと寄り道」経済ニュース

「外食のレジェンド」が最後にカフェを選んだワケ

赤間清広・毎日新聞経済部記者
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高倉町珈琲「富山黒瀬店」(富山市)の開店イベントに出席する横川竟さん=本人提供
高倉町珈琲「富山黒瀬店」(富山市)の開店イベントに出席する横川竟さん=本人提供

 すかいらーく創業者の横川竟(きわむ)さん(84)は2008年にグループを離れ、新たにカフェチェーン「高倉町珈琲」を立ち上げた。13年に1号店を出店してから拡大を続け、現在は1都12県に35店舗を展開している。外食業界のレジェンドはなぜ、「カフェ」にたどり着いたのか。そこには、第一人者としての意地と老いても消えない挑戦心があった。(ファミレス生みの親が直言「大手すら生き残れない」参照)

「すかいらーく創業者」横川竟さんに聞く<下>

 平日の午前、都内にある高倉町珈琲の店舗を訪ねた。この前日に政府が東京などへ「まん延防止等重点措置」の適用を決定した直後にもかかわらず、店内はほぼ満席だった。

 店に入って、まず驚いたのが通路やテーブル同士の間隔の広さだ。椅子も大きいため、隣のテーブルに客がいてもほとんど気にならない。ここに横川さんの思いが反映されている。

 「現在の外食大手は投資効率を追い求め、いかに客数を増やすかに腐心してきた。しかし、消費者が求めているのは、ゆったりとした空間で食事を楽しむこと。会社や家で嫌なことがあっても忘れられる、居心地のいい場所だ」

喫茶店でもファミレスでもない

 「高倉町珈琲は大手と真逆の戦…

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赤間清広

毎日新聞経済部記者

 1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。16年4月に中国総局(北京)特派員となり、20年秋に帰国。現在は霞が関を拠点に、面白い経済ニュースを発掘中。新著に「中国 異形のハイテク国家」(毎日新聞出版)