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退職後の健康保険「任意継続」ルール変更でどうなる?

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 転退職をしても、それまでの職場の健康保険に加入を続ける「任意継続被保険者制度」のルールが2022年から変わった。リタイアする高所得シニアは「任意継続が得」とされてきたが事情も変わってきた。影響を考える。

「国保か任意継続か」

 国民皆保険の日本では、すべての人が何らかの公的医療保険に入る。会社員などは職場の健康保険(健康保険組合や協会けんぽなど)の被保険者となり、扶養家族もそれに加入する。自営業者らは国民健康保険(国保)の被保険者となる。75歳を超えるとすべての人が後期高齢者医療制度に移る。

 会社員は退職すれば職場の健康保険の資格を失う。その後のパターンは四つだ。

 転職の場合は、転職先の健康保険に入る。健康保険に加入する家族の扶養家族になれば、その健康保険に入る。これらに当てはまらない場合は原則として国保に入る。

 だが、もう一つ、元の職場の健康保険に引き続き入る方法がある。これを「任意継続被保険者制度」という。

 任意継続は、退職まで続けて2カ月以上その健康保険に入っていた人が対象で、退職翌日から20日以内に申請すれば2年間継続できる。保険料は、在職中は会社が半分負担したが、任意継続は全額本人負担だ。

 ただし、任意継続にすると自由にやめることはできず、加入資格を失うのは、死亡▽保険料滞納▽再就職▽75歳になる――の四つに限られた。

 リタイアに直面したシニア世代は、この「国保か任意継続か」で悩むことが多い。

 給付面は大差がない。医療費の窓口負担は同じ3割。健康保険には、病気やけがで休み給料がないときに給付する傷病手当金などの制度があるが、任意継続は対象外だ。ただ、特に大企業の健保…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。