
2021年にゲームが大ヒットした「ウマ娘」。その要因としてニッセイ基礎研究所の廣瀬涼さんは、ウマ娘というコンテンツの背後に競馬という「大きな物語」があることに注目し、そこに現代消費文化の潮流を見る。ただウマ娘は一見すると、いわゆる「萌え系コンテンツ」のようにも見える。今回は廣瀬さんに「萌えの系譜」の観点からも語ってもらった。
現代オタク文化の光と影(4)
――ウマ娘は実際の競走馬をモチーフにし、美少女キャラクターとして描かれています。萌え系コンテンツの側面もあるように思えるのですが。
◆廣瀬涼さん 「萌え」という言葉は最近は使われなくなりましたが、ウマ娘も確かにその系譜にある作品ではあります。
「萌え文化」を説明する際、しばしば引用されるのがデータベース消費論という考え方です。前回のインタビューで触れた「物語消費論」を発展、あるいは対比させた論として、2001年に評論家の東浩紀氏が名づ…
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川村彰
経済プレミア編集部
1974年静岡県生まれ。広告記事等のフリーライターを経て、2015年4月、毎日新聞デジタルメディア局に配属。
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