シニア市場の正体

「変わるバレンタイン」ブームを作ったシニア女性の今

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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 毎年2月14日の「バレンタインデー」は、日本では1970年代から、女性が男性に愛の告白をする日として広まったといわれています。バレンタインデーが定着する動きをけん引してきたのが今のシニア女性たちです。彼女たちは現在、バレンタインデーをどのように捉えているのでしょうか。

最近は盛り上がりに欠ける?

 日本でバレンタインデーが広まった背景には諸説ありますが、大きなものとしてチョコレートメーカーの戦略が挙げられます。その後、当初の目的とは異なる「義理チョコ」や「友チョコ」、自分へのご褒美とする「自分チョコ」、男性が女性に贈る「逆チョコ」などが出てきています。

 最近は、若者の間では毎年10月末のハロウィーンが人気を集めています。また、新型コロナウイルスの影響で接触がためらわれることもあり、バレンタインデーのギフト交換は盛り上がりに欠ける印象があります。

 私が所属する「ハルメク生きかた上手研究所」は、1月21~24日に「季節の行事食・イベント食についてのアンケート」をウェブ上で行い、全国の50~84歳の女性470人から回答を得ました。今回のアンケートでは時節柄、バレンタインデーについて多くの質問を設けました。その結果から、シニア女性のバレンタインデーの意識と行動を分析します。

シニア女性には根強く浸透

 アンケートでは、「バレンタインデーに何かしていますか(四つの選択肢から一つを選択)」と問いました。結果は「毎年している」が228人(48.5%)でした。「たまにしている」の78人(16.6%)を合わせて、306人(65.1%)がバレンタインデーを大切な行事と捉え、行動していることがうかがえます。

 具体的にやることは、チョコに関するものばかりでした。「人にチョコをプレゼントする」が274人、「自分にチョコを買って食べる」が102人、「家族がもらってきたチョコを一緒に食べる」が93人で上位を占めました。シニア女性にとってバレンタインデーは、チョコを贈ったり、食べたりする日として、今も根付いています。

 行事食に関する質問の「その行事に関連した食べ物を毎年食べていますか」では、バレンタインが265人に対し、ハロウィーンは77人でした。それぞれのイベントのシニア女性への浸透度合いがわかります。

新たな兆し「サステナブルなチョコ」

 アンケート結果からは、…

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。