ニッポン金融ウラの裏

第1次石油危機後の狂乱物価「悪夢」が再来する?

浪川攻・金融ジャーナリスト
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第1次石油危機時、店員を押しのけて買い物をする人々=東京都港区のスーパー・青山ピーコックで1973年11月21日
第1次石油危機時、店員を押しのけて買い物をする人々=東京都港区のスーパー・青山ピーコックで1973年11月21日

 国際金融市場の不安定さが増している。急激なインフレ傾向が世界的に増してきたからだ。国内でもガソリン価格が高騰し、食料品の価格もジワジワと上がっている。そのなかで、金融市場関係者の間では「第1次オイルショック型のインフレ」を不安視する声が出てきた。

 米国ではすでに、中央銀行がインフレ対策として量的緩和の終了と段階的な利上げの姿勢を鮮明化した。これを受けて株式市場は動揺を続けているが、「それでも利上げは確実に実行される」(米系投資銀行)とみられている。インフレ懸念がそれほど高まっているからだ。

 米国ほどではないが、物価の上昇は国内でも生じている。2月上旬に都内の食品スーパー数店を回ってみたところ、カップヌードルやしょうゆが品薄だった。メーカーが値上げを発表した直後や、昨年値上げを発表し、実際の値上げが近づいた商品だ。

 店員に話を聞くと、「値上げ前の駆け込み消費かもしれない」という声があった。所得が伸びない世帯にとって値上げの家計への影響は大きい。値上げ前の商品を防衛的に買う動きが出たという見方には、一定の説得力があるように思える。

身動きがとれない日銀

 今後、米国の利上げが実行されたり、国内物価の上昇が続いたりすると、本来であれば日銀の金融政策の転換の必要性が増す。だがその際、米国のように果敢…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。