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優等生から財政危機へ「雇用保険」今後の負担どうなる

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 2022年度に雇用保険の保険料が上がる。労働者が負担する保険料率は現在、賃金の0.3%だが、22年10月から0.5%になる。雇用保険財政は「社会保険の優等生」として20年近く保険料が引き下げられてきたが、新型コロナウイルス対策で給付が急増し、一転して危機に陥っている。

失業手当と育児休業給付

 雇用保険は失業リスクに対応する社会保険だ。失業して収入が途絶えた人の生活を守る「雇用の命綱」の役割があり、国が保険者、会社員など勤め人が被保険者となる。パート勤めの人も、所定労働時間が週20時間以上で31日以上雇用が見込まれれば適用になる。一方、公務員は身分が安定しているため対象外だ。

 雇用保険の柱は大きく三つある。

 第一の柱は「失業等給付」だ。中心となるのは失業手当(基本手当)で、失業した場合、失業前賃金の50~80%を最短90日、会社都合退職なら最長330日給付する。

 失業等給付にはこのほか、失業手当を受けていた人が再就職すると給付する「就職促進給付」、社会人の学びなおし支援のための「教育訓練給付」などがある。

 第二の柱は「育児休業給付」だ。最長で子どもの2歳の誕生日の前日まで給付する。給付額は180日までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%相当だ。

 第三の柱は「雇用保険2事業」だ。

 二つあるうちの一つは雇用安定事業だ。事業主が従業員に払った休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金(雇調金)」などの助成金や、中高年者の再就職支援、若者や子育て女性の就労支援などがある。

 もう一つは能力開発事業で、事業主が行う職業訓練の助成や、求職・退職者の再就職のための技能講習などがある。

20年間下がってきた保険…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。