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あなたの知らない「ディズニーオタク」ディープな世界

廣瀬涼・ニッセイ基礎研究所・生活研究部研究員
間隔を保持しながら東京ディズニーランドへの入場を待つ人々=千葉県浦安市で2020年7月1日、幾島健太郎撮影
間隔を保持しながら東京ディズニーランドへの入場を待つ人々=千葉県浦安市で2020年7月1日、幾島健太郎撮影

 皆さんは「ディズニーオタク」と聞くとどんな人たちを思い浮かべるでしょう。

 年間パスを持っていてディズニーランドやディズニーシーに足しげく通ったり、限定グッズをひたすら買い集めたり、ディズニー映画にやたら詳しかったり……。一般的なイメージはこういったところでしょうか。

 それでだいたい合っているのですが、ここからさらに深みにハマっていくと、一般層が知らない「ディープな世界」をのぞき込むことになります。今回はディズニーオタク、いわゆる「Dオタ」でもある筆者が、そんな世界の一端を紹介します。

 ただ現在、東京ディズニーリゾートはコロナ禍による入場制限が行われ、平常時とは言えません。なのであくまでコロナ前の状況を前提に話をしていきます。

幅広いオタク層

 一言で「Dオタ」と言っても、ミッキーマウスなどのキャラクターオタクやアトラクションオタク、コスプレオタクやグッズオタクなど、わかりやすいところだけでもさまざまなタイプがあります。

 1人で複数のオタクを兼ねている場合も多く、ディズニーアニメなどの映像作品や音楽を愛するコンテンツ系のオタクもいるため、その全貌にはなかなかたどり着けません。

 この幅広さもディズニーコンテンツの強さであり、魅力の一つでもあります。ディズニーオタク同士なのに会話が全然成立しないこともあるくらいです。

一般層とは異なる「導線」

 ディズニーランドを歩いていると、一般の家族連れやカップルとは明らかに違う導線で動く人たちに出くわすことがあります。その多くは、おそらく何らかのオタクであると見てよいでしょう…

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ニッセイ基礎研究所・生活研究部研究員

 1989年生まれ、静岡県出身。2019年、大学院博士課程在学中にニッセイ基礎研究所に研究員として入社。専門は現代消費文化論。「オタクの消費」を主なテーマとし、10年以上、彼らの消費欲求の源泉を研究。若者(Z世代)の消費文化についても講演や各種メディアで発表を行っている。NHK「BS1スペシャル-『“Z世代”と“コロナ”』」、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」、TBS「マツコの知らない世界」などで製作協力。本人は生粋のディズニーオタク。