ニッポン金融ウラの裏

7月の日銀審議委員人事は「ポスト黒田」の前哨戦?

浪川攻・金融ジャーナリスト
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衆院予算委員会で質問に答える日銀の黒田東彦総裁=国会内で2022年2月7日、竹内幹撮影
衆院予算委員会で質問に答える日銀の黒田東彦総裁=国会内で2022年2月7日、竹内幹撮影

 日銀による金融政策の行方を巡る話題が増えてきた。インフレ懸念が世界的に増大し、米国などが金融政策を緩和から引き締めに舵(かじ)を切りつつあるからだ。わが国でも物価上昇の気配が強まってきた。そうしたなか、市場関係者の視線を集めているのが7月の日銀審議委員人事である。

 今年7月23日に、2人の審議委員が任期を終える。一人は三菱UFJ銀行出身の鈴木人司氏であり、もう一人は三菱UFJリサーチ&コンサルティング出身の片岡剛士氏だ。金融政策の考え方としては、鈴木氏が中立的とされているのに対して、片岡氏は積極的な金融緩和を主張するリフレ派という立場にある。

 鈴木氏はいわばメガバンク出身者枠であり、後任もメガバンク関係者から選ばれると市場関係者は予想している。そして「メガバンク出身者であれば、鈴木氏と同様に中立的なスタンス、いわば非リフレ派となる可能性が高い」(外資系投資銀行関係者)との声がもっぱらだ。しかし、片岡氏の後任は予想がつかない状況にあると言われている。

リフレ派はいま4人

 日銀の政策委員会は総裁、副総裁2人、審議委員6人の合計9人で構成されている。リフレ派は片岡氏と、若田部昌澄副総裁、審議委員の安達誠司氏、野口旭氏の4人とされてきた。政策委員会のなかでリフレ派は、中立派と拮抗(きっこう)ないし…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。