人生に必要な「おカネの設計」

59歳男性「投資資産が10年で約2倍」定年後どうする?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 会社員のA郎さん(59)は、定年退職後の資産運用について私のところに相談に来ました。A郎さんからの相談は2回目です。前回は10年ほど前で、資産運用を始めるためのアドバイスを求められました。結果的に「この10年で資産が大きく増えました」と報告してくれました。

運用の鉄則

 私は前回、「全世界の株式に分散投資できる低コストの投資信託を毎月買い続けましょう」と積み立て投資をするよう、アドバイスしました。大切なことは、価格が上下しても途中で購入をやめないことだと伝えました。このアドバイスは特別なことではなく、「運用の鉄則」といえるものです。A郎さんはその通りに実践し、運用していた時期がよかったこともありますが、投資した資産が約2倍になっていました。

 資産運用を途中でやめる原因の一つは、価格が大きく下がったことに驚いて、購入し続けるのが怖くなってしまうことです。しかし、途中でやめてしまえば、積み立て投資の「ドル・コスト平均法」と「複利の力」という二つのメリットを生かせません。

 積み立て投資は、決まった日(定期的)に決まった金額(定額)で一定の商品を買い続けます。一度設定すれば、あとは自動的に運用を続けられるので、便利で手間のかからない方法です。

 メリットの一つの「ドル・コスト平均法」は、投資信託の価格が安いときはより多くの口数を購入でき、価格が高いときは購入できる口数が減ることで、平均購入単価が低くなります。価格が下がったときには購入できる口数が増えることを知っていれば、過剰に心配する必…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。