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ピーチ就航から10年 LCCはアフターコロナを見据える

鳥海高太朗・航空・旅行アナリスト
ピーチ・アビエーションの航空機(成田空港で筆者撮影)
ピーチ・アビエーションの航空機(成田空港で筆者撮影)

 日本のLCC(格安航空会社)として最初に運航を始めたピーチ・アビエーションが3月1日、就航10周年を迎えた。10年前の2012年は「LCC元年」と言われ、LCCは年末の流行語大賞のトップ10に入った。3月にピーチ、7月にジェットスター・ジャパン、8月にエアアジア・ジャパン(注)のLCC3社が就航した。

成田と関西空港がLCCの拠点に

 それまで国際線がメインだった成田空港と関西空港はLCCの拠点空港となり、国内線のネットワークが大きく広がった。さらにアジアからのインバウンド(訪日外国人観光客)増加を追い風に、韓国、台湾、中国、香港など東アジアへの路線を積極的に展開。ピーチは那覇からバンコク路線も開設した。

 国内線ネットワークを拡充しながら、国際線も強化していったLCCだが、20年1月に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、4月にはほとんどの国からの外国人の新規入国が不可能になった。同時にLCCは国際線の全便が運休に追い込まれ、国内線も一時は8割以上の便が運休になるなど、これまでの追い風ムードは完全に吹き飛んでしまった。

 日本国内の感染者数が減少している時には国内線で需要回復が見られたが、第6波のオミクロン株の拡大で再び利用者が減少するなど、まだまだ厳しい状況のなかにある。

若者は安く「弾丸海外旅行」も

 ピーチは、12年3月1日の就航時点では関西空港を拠点としてスタートし、現在では関西と成田を中心に新千歳、仙台、中部、福岡、那覇からも多くの路線を展開する。「空飛ぶ電車」というコンセプトで、電車のように気軽に飛行機を利用するという新しい発想がヒットした。

 ピーチが提唱していたの…

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航空・旅行アナリスト

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科修士課程修了。食品会社、城西国際大学観光学部助手を経て、帝京大学、共栄大学、川村学園女子大学で非常勤講師。専門は航空会社のマーケティング戦略。テレビやラジオの情報番組に多数出演し航空会社や旅行の解説を行う。近著に「コロナ後のエアライン」。