
東芝は3月1日、綱川智社長(66)と畠沢守副社長(62)が同日で退任したと発表した。新社長には島田太郎執行役上席常務(55)が昇格し、副社長には東芝エレベータの柳瀬悟郎社長(56)が就いた。同日午前に開いた臨時取締役会で決定し、終了後に就任というドタバタのトップ人事だった。
東芝は昨年11月、経営改革に向け会社を3分割する案を発表した。エネルギー・インフラ事業と半導体事業の2社をそれぞれ分離し、残る東芝本体は保有株式の管理会社にする方針だった。ところが一部の「物言う株主」が反対し、今年2月には2分割案に修正した。
3月24日に株主の意向を確認する臨時株主総会を開くが、過半数の賛成を得られるかは定かでない。事前に綱川氏らの責任を明確にし、賛成するよう株主に訴えるのが狙い。ただ、総会の23日前に突然の社長交代という異例でドタバタの出来事で、総会での賛否は一段と不透明になっている。
物言う株主が強い不満
この日午後、綱川氏、島田氏と、取締役会に社長人事案を提示した指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ社外取締役(52)らがオンラインで記者会見した。ゼイジ氏は大株主である米投資ファンド出身だ。
ゼイジ氏は「不満を持つ大株主の一部から、現経営陣が株主還元をスピードをもって最大化できるのか懐疑…
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