ニッポン金融ウラの裏

「ロシアの地下マネーを排除せよ」スイフト制裁の次は

浪川攻・金融ジャーナリスト
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停戦協議を再開したロシアとウクライナの代表団=ベラルーシとポーランドの国境付近で2022年3月3日、AP
停戦協議を再開したロシアとウクライナの代表団=ベラルーシとポーランドの国境付近で2022年3月3日、AP

 ロシア軍によるウクライナ侵攻の制裁措置として、国際資金決済の情報ネットワーク「SWIFT(スイフト)」から、ロシアの大手7行が締め出された。この措置が効果的に働くことを願うが、ロシア軍の攻撃は激しさを増しており、欧米諸国が一段と強い制裁にかじを切る可能性が想定される。

 そうしたなか、国内の金融業界の間で、ロシア企業との取引がマネーロンダリング(マネロン=資金洗浄)防止の観点から強化される可能性があるとの見方が浮上している。「マネロン防止」を徹底する場合、「資金取引をする相手企業の実質的支配者は誰か」の調査が求められる。企業との取引に関し、一段と厳しい管理・監視体制が必要になるということだ。

ロシアマネーの捕捉

 国際的な取り組みであるマネロン対策は、麻薬取引など犯罪収益やテロ資金の捕捉と、資金洗浄行為を防止することが目的だ。一方、ロシアの軍事侵攻で民間人の犠牲が増えるなか、国際社会では今回の侵攻を「テロ行為に匹敵する暴挙だ」とする声が出ている。

 SWIFTからの排除という資金決済面の制裁で、貿易関連などの資金決済の手段が狭まったのは間違いない。そうしたなか、制裁を逃れようとする資金洗浄行為にも関心が高まる可能性がある。

 このため、「マネロン防止の観点からロシアマネーの捕捉を強く求められるようになるのではないか」(大手銀行筋)、「ロシアの動き次第で、マネロン防止への取り組み要請レベルが格段に厳格化されかねない」(米系銀行の在日拠点幹部)という観測が出ている。

取引相手の「実質的…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。