メディア万華鏡

「プーチン氏の独裁ぶり」メディアはどこまで迫れたか

山田道子・元サンデー毎日編集長
  • 文字
  • 印刷
ウクライナへの攻撃をやめるよう訴えるデモは世界各地に広がっている=フランス・パリで2022年3月5日、久野華代撮影
ウクライナへの攻撃をやめるよう訴えるデモは世界各地に広がっている=フランス・パリで2022年3月5日、久野華代撮影

 ロシアがウクライナを侵攻して以降、私は毎日新聞以外の全国紙もほぼ毎日読み、テレビもつけっ放しにしてザッピングしている。報道機関が今起きていることを伝えるのは重要だが、新聞もテレビも内容があまり変わらない。なんだか物足りない、「もっと知りたい」が満たされない感じを抱き続けている。

 今、世界中の一番の関心はロシアのプーチン大統領だろう。読売新聞3月5日朝刊の社説の見出しは「プーチン氏は正気を取り戻せ」。同日の産経新聞「産経抄」の書き出しは「ロシアのプーチン大統領の正気を疑った人は、少なくないことだろう」だった。もはや一時の北朝鮮の指導者と同じ扱いだ。

相次ぐ週刊誌報道

 プーチン氏とは一体、どんな人物なのか。週刊誌は敏感に反応した。週刊文春3月10日号のトップは「プーチン『殺戮(さつりく)の履歴書』 得意技は『ウソ』『毒殺』『自作自演』」。ネズミの巣窟のような20平方メートルのアパートで育った生い立ちから、さまざまな策略をめぐらして独裁大統領に上り詰めた軌跡を力業でまとめていた。

 プーチン氏は13歳の時に出合った柔道が人生の転機となったという。「柔道に出合って救われた。柔道がなかったら、いまの自分はなかった」と後に回想したそうだ。「プーチン氏と柔道」、日本の新聞、もっと追ってもよいのでは。

 週刊新潮3月10日号のトップも「『プーチン』の狂気 7つの謎」。この中で同誌は、プーチン氏の人格変化の背景にはパーキンソン病を患っていることがあるのではないかと指摘する。マクロン仏大統領、メルケル前独首相はプーチン氏の人格変化に気づいていたという。それならプーチン氏と30回近く会談した安倍晋三元首相に…

この記事は有料記事です。

残り630文字(全文1332文字)

山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。