経済プレミアインタビュー

飯田哲也氏「電源喪失が怖いウクライナの原発」

川口雅浩・経済プレミア編集部
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オンラインで毎日新聞のインタビューに答える飯田哲也さん
オンラインで毎日新聞のインタビューに答える飯田哲也さん

飯田哲也・環境エネルギー政策研究所所長に聞く(1)

 ロシアのウクライナ侵攻について、原発やエネルギー政策に詳しい環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長に聞いた。飯田さんは京都大学で原子核工学を専攻し、原子力プラントの設計に従事したが、「原子力ムラ」を批判して離脱。自ら研究所を立ち上げ、脱原発と再生可能エネルギーの普及を目指している。飯田さんは今回の軍事侵攻でどんな問題点を指摘するのか。【聞き手は経済プレミア編集長・川口雅浩】

 ――今回の軍事侵攻ではチェルノブイリなどウクライナの原発が標的となりました。世界の紛争や戦争で、原発が攻撃対象になるのは初めてではないでしょうか。

 ◆飯田哲也さん 1981年にイラクが建設中だった原発をイスラエル軍が「イラクが核兵器を持つ危険性がある」などとして空爆した事件がありました。

 原発をダイレクトに軍事標的としたのはそれが最初で、その後はなかったと思います。稼働中の原発が狙われたのは今回が初めてで、これからどうなるか、とても心配です。

気になるザポロジエ原発

 ――ロシア軍に制圧されたチェルノブイリ原発は外部電源の切断があり、その後は復旧したようですが、大丈夫でしょうか。

 ◆チェルノブイリ原発は86年に大事故を起こした4号機以外の1~3号機も2000年までに停止しているので、東京電力福島第1原発のように炉心溶融(メルトダウン)が起きることはまずありません。

 意図的に使用済み核燃料の冷却プールを壊さない限り、そんなに大きな影響はないと思います。もっと怖いのはウクライナ南東部のザポロジエ原発です。

 ――欧州で最大級のザポロジエ原発はロシア軍に制圧さ…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。