シニア市場の正体

「便利すぎ」に反省?シニアがSDGsに意欲的な理由

梅津順江・株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
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 私が所属する「ハルメク生きかた上手研究所」は、2月10~15日に「持続可能な開発目標(SDGs)に関するアンケート調査」をウェブ上で行い、全国の20~79歳の男女1200人から回答を得ました。

 SDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、貧困や環境、ジェンダーなどに関する17のゴールから構成されます。「地球上の誰一人取り残さない」ことを誓っていますが、世代間で認識や行動にギャップがあり、足並みがそろわない状況もあります。今回の調査でも世代の差が読み取れました。

高齢者の意識は低い?

 まず、SDGsの認知度を見てみます。全体の認知率は87.6%(1051人)でした。意外だったのは60代以上のシニア世代の認知率が87.5%(400人中350人)に達したことです。私は普段からシニア女性と接する中で、この1年で認知率がグッと高まったと感じており、調査からはこの世代にもSDGsが浸透していることがわかりました。

 私たちが例示したSDGsに関連する言葉の認知率では違いが出ました。20~30代は「LGBTQ+(性的少数者)」の認知率が35%ほどで他の世代より高かったものの、それ以外の言葉は主に60代以上の方が認知率が高いという結果となりました。具体的には「再生可能エネルギー」「脱炭素」「フードロス」などです。いずれも60代は60%超、70代は70%超でした。

 また、私たちが考えたSDGsを進める上で大切な価値観を示し、どれに共感するかも聞きました。20代では「個性を生かす」「永続的な成長」を選ぶ傾向がありました。一方、60代では「ものを大切にする」、70代では「…

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梅津順江

株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長

大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。