人生に必要な「おカネの設計」

60歳男性「退職金1000万円」荒れる相場で投資すべきか

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 A郎さん(60)は昨年末に定年を迎え、今は再雇用の契約社員として働いています。子供はすでに独立し、共働きの妻(60)と2人暮らしです。定年時に退職金が約1000万円出て、その半分ほどを投資に回そうと検討を進めてきましたが、最近の株価の値動きを見て、私のところに相談に来ました。「資産を長く保つように投資するにはどのように対応すればよいでしょうか」といいます。

基本は長期運用だが……

 現在、A郎さんは退職金とは別に約800万円の預貯金があります。他に、少額投資非課税制度(つみたてNISA)と個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)に、合わせて月5万円を投資し、その額は約200万円になっています。

 最近の株価は、ロシア軍によるウクライナ侵攻などを受けて騰落が激しくなっています。またA郎さんは、今後インフレで徐々に生活費がかさむことになるのではないかと心配しています。

 そこで私は、運用を続けながら、資産を長く保ち生活していくための考え方についてアドバイスすることにしました。まず、投資の基本についてです。

 原則として投資は、株価の価格が安いときに買い、価格が高いときに売ればもうけが出ることになります。しかし、最安値と最高値がいつになるのかを見極めるのは困難です。

 そのため、分散投資ができる投資信託を利用し、決まった日(定期的)に決まった金額(定額)で一定の投信を買い続ける積み立て投資で、「ドル・コスト平均法」のメリットを生かしていきます。ドル・コスト平均法は、価格が安いときはより多くの口数を購入でき、価格が高いときは購入できる口数が減ることで、平均購入単価が低くなります。

 一般的に投…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。