人生100年時代のライフ&マネー

60代6500人に聞く「老後資金は十分?」のリアル

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 人生100年時代は「長い老後」をどう過ごすかが大きなテーマだ。老後資金は大丈夫か、生活は満足できるか、地方に移住したほうがいいか――。引退世代の入り口にあたる60代6500人を対象とする大規模調査からそのリアルな姿が浮き彫りになる。

資産寿命「なんとかなる」が7割

 調査はフィンウェル研究所が2022年1~2月、6486人に行った。同研究所は、国内外の金融機関で長年、退職資金のあり方をテーマとしてきた野尻哲史さんが2019年に自らの60歳定年を機に設立した。60代に老後資金や生活満足度を聞き取る調査を継続的に行っている。

 今回は3回目で、地方移住の動向をみるため、3大都市(東京、大阪、名古屋)▽人口100万人以上の都市(札幌、仙台、さいたま、横浜、京都、神戸、広島、福岡)▽同30万人以上の都市(秋田、宇都宮、千葉、金沢、熊本など23市)――の3区分で対象人数をほぼ同数にした。

 調査によると、世帯保有の金融資産は平均2696万円。資産ゼロ17%▽500万円未満19%▽501万~1000万円11%▽1001万~5000万円34%▽5000万円以上19%――とばらつきは大きかった。

 一方、世帯の年間生活費は平均370万円弱。400万円以下に66%、600万円以下には89%が収まり、ばらつきは小さい。

 保有資産で寿命までの生活をカバーできるかという「資産寿命」については、十分足りる18%▽ぎりぎり足りる52%――を合わせて7割。逆に「まったく足りない」は3割だった。

 資産のばらつきが大きく、生活費のばらつきが小さいなら、本来、資産寿命のばらつきは大きいはずだが、自己評価はそうではない…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。