海外特派員リポート

「ロシアの侵略者に死を」SNS投稿は許される?

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
  • 文字
  • 印刷
日本の国会議員に向けてオンラインで演説するウクライナのゼレンスキー大統領=衆院第1議員会館で2022年3月23日、竹内幹撮影
日本の国会議員に向けてオンラインで演説するウクライナのゼレンスキー大統領=衆院第1議員会館で2022年3月23日、竹内幹撮影

 「ロシアの侵略者に死を」。ロシアのウクライナ侵攻では、ネット交流サービス(SNS)が情報戦争の舞台になっている。フェイスブックがそんな暴力的発言を一時容認したことが明らかになり、厳しい批判を浴びた。

 メタ(旧フェイスブック)やツイッター、アルファベット傘下のグーグルなど米SNS大手は、ロシア国営メディアの投稿を制限するなどウクライナを支援している。これまでSNS各社は「表現の自由」と「暴力的表現の排除」のバランスに苦心してきたが、戦争という異常事態で、どこまで暴力的な表現が許されるのかという難問を突きつけられている。

SNS上の情報戦争

 「ナチス・ドイツが第二次世界大戦で行ったように、ロシアは我々の国を攻撃した。ウクライナは自国を守り、モスクワが何を企てようと自由を放棄することはない」。ロシアがウクライナに侵攻した2月24日、ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターへの投稿で徹底抗戦を宣言した。

 メタの写真共有アプリ「インスタグラム」で約1400万人、ツイッターで約565万人のフォロワーを抱えるゼレンスキー氏は、各国首脳との会談内容や、ウクライナ支援と対ロシア制裁を国際社会に求める投稿をSNSで繰り返し、力強い発信力で国際社会を味方に付けている。

 一方、ロシアはSNSを駆使した情報工作の“常習犯”だ。トランプ前米大統領が勝利した2016年大統領選や、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で…

この記事は有料記事です。

残り1688文字(全文2294文字)

中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。