経済プレミア・トピックス

「東京本社を札幌へ?」アクサ生命が得た意外な副産物

川口雅浩・経済プレミア編集部
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インタビューに答えるクリストフ・ベルモン・アクサ生命常務執行役員=東京都港区で2022年2月18日、宮本明登撮影
インタビューに答えるクリストフ・ベルモン・アクサ生命常務執行役員=東京都港区で2022年2月18日、宮本明登撮影

 「日本では大地震や富士山の噴火はもちろん、感染症やテロなどあらゆるリスクを考慮する必要があります。そう考えて東京の本社機能を分割し、東京と札幌の2本社体制にしました」。こう語るのはフランスに本拠地を置く保険・金融グループの日本法人・アクサ生命保険のクリストフ・ベルモン常務執行役員だ。

 3月16日、東北地方を中心に激しい地震が起き、東北新幹線の車両が脱線。東京電力では電力需給が逼迫(ひっぱく)した。海外ではロシアのウクライナ侵攻など、これまで予想すらしなかった戦争が現実のものとなっている。

「あらゆるリスクを考慮」

 「保険会社としては、事業の中断につながるあらゆるリスクを考慮しています。地震国の日本では首都直下型の大地震がいつ起きるかわかりません。さらに富士山の噴火や感染症、テロのリスクなども考え、本社の業務を東京に集中させるのは危険と判断しました」

 天災や危機など万一のリスクに備え、アクサ生命は東日本大震災後の2014年、東京本社の「一極集中」を見直した。ベルモン氏は危機管理の責任者だ。保険会社らしく「業務のリスク分散」が狙いという。

 東京本社の分割・移転は東日本大震災で東京都内が停電などで混乱したことを受け、決断したという。日本の上場企業の約半数は東京都に本社を置き、神奈川、埼玉、千葉の3県を合わせた首都圏で約6割を占める。

 東京本社の分割・移転先が大阪や名古屋でなく、なぜ札幌なのか。ベルモン氏は…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。