メディア万華鏡

「国際女性デー」報道で“のけぞりそう”になった理由

山田道子・元サンデー毎日編集長
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「国際女性デー」で性差別撤廃や反戦を訴えてデモ行進する人たち=東京都渋谷区で2022年3月8日、吉田航太撮影
「国際女性デー」で性差別撤廃や反戦を訴えてデモ行進する人たち=東京都渋谷区で2022年3月8日、吉田航太撮影

 朝、駅に向かう途中、近所のおしゃれなアンティークショップで働く30代ぐらいの女性とすれ違った。彼女の手には黄色の花束。思わず「ミモザだね!」と声をかけた。その日、3月8日はミモザの日、そして「国際女性デー」。彼女の笑顔につながりを感じてじんときた。

 国際女性デーの認知度が高まり、メディアはその前後を含め多くの記事を掲載するようになった。まずは3月8日の新聞各紙朝刊に注目。産経新聞は女性差別やジェンダーに関する記事はゼロ。読売新聞は広島で2月に開催した国際女性デーに関するシンポジウムの詳報を特別面で掲載した以外、一般記事はなし。

 日経新聞は1面で、日本の女性の賃金が男性の74%であることを伝えたのをはじめ、「女性リーダー今こそ」と特集面で展開した。さすが日経新聞、生理への理解を求めたり、ジェンダー平等を訴えたりする企業の広告がバンバン入っている。悪いが記事よりも広告から、ビジネスの世界ではジェンダーを無視しては生き残れないことがひしと伝わってきた。

「女性登用遅い日本企業」

 毎日新聞、朝日新聞、東京新聞はそれぞれ「声をつないで」「Think Gender」「ジェンダー平等とともに」のワッペンを張り、多くのページに意識的に記事を載せていた。政治やスポーツの世界での女性進出の遅れは3紙とも取り上げた。

 そんな中、ミモザの喜びをかき消され、ひっくり返りそうになった記事が、毎日新聞3月9日朝刊の…

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。