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マイナンバーカード保険証に「新利用料金」のちぐはぐ

渡辺精一・経済プレミア編集部
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マイナンバーカードの個人向けサイト「マイナポータル」は、マイナ保険証について説明している
マイナンバーカードの個人向けサイト「マイナポータル」は、マイナ保険証について説明している

 マイナンバーカードを健康保険証としても使える「マイナ保険証」に2022年4月、新たに利用者負担が導入された。自己負担3割の場合、初診時支払いで21円とわずかだが、政府が大規模なポイント還元策を実施してまでマイナ保険証の普及を進めるのとは矛盾する。なぜ、こんなちぐはぐな政策を取るのだろうか。

マイナンバーカード「普及率4割」の壁

 政府はマイナンバーカードを22年度末までに全国民に普及させる目標を掲げる。だが、22年3月1日時点で普及率は42%にとどまる。マイナ保険証は普及のテコ入れ策として21年10月に本格運用を開始した。カードの利便性を向上させ、浸透を図る狙いという。

 利便性の向上として、政府は主に4点を挙げる。

 第一に、受診がスムーズになるという。医療機関や薬局に顔認証付きカードリーダーを導入してもらい、マイナンバーカードに収納された本人の顔写真データを読み取って、訪れた人の顔と照合し本人確認する仕組みだ。

 第二に、良い医療が可能になるという。例えば、処方薬を本人が忘れても、医師や薬剤師が薬剤情報を共有できる。

 第三に、高額療養費制度で立て替え払いが不要になる。

 公的医療保険には医療費自己負担に上限を設ける高額療養費制度があり、上限を超えた分が後で戻る。入院などで高額になるとわかっている場合は、限度額適用認定証をあらかじめ医療機関に提出すれば立て替えは不要だが、マイナ保険証なら認定証なしでも立て替えなくていい。

 第四に、就転職などで加入する医療保険(健保組合、協会けんぽ、国保など)が変わっても、マイナ保険証をそのまま使うことができる。

 厚生労働省によると、マイナ保険証の登…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。