経済プレミアインタビュー

「国債無制限買い入れ」露呈した黒田・日銀の“落日”

平野純一・経済プレミア編集部
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金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田東彦総裁=2022年3月18日(代表撮影)
金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田東彦総裁=2022年3月18日(代表撮影)

 「日銀にはいま、悲観的に見ざるをえないことが起きている」と、日銀の金融政策に詳しい加藤出・東短リサーチ社長・チーフエコノミストは言う。日銀が3月末に、異例の国債の無制限買い入れを行ったことと関係しているのだが、いったいどういうことなのか、加藤氏に詳しく聞いた。

ファンド筋に攻撃される

 ――日銀が「指し値オペ」(注)で長期金利の上昇を抑えようとしました。

 ◆日銀は「イールドカーブ(利回り曲線)コントロール」政策を採っていて、長期金利を目標値にコントロールしようとしています。現在の10年国債の目標金利の上限は0.25%です。

 米国の利上げで円安になりやすい状況があったところをファンド筋などが突いてきました。国債を空売りして長期金利を押し上げて日銀に「指し値オペ」を打たせ、円安になるともうかるポジションをあらかじめ取っておくことでもうけようとしました。

 日銀は対抗して、3月28~31日に指し値オペ5931億円を含む計2兆8798億円の国債購入を行い、長期金利が0.25%を超えないようにしました。

 ――31日は0.21%に収まり、指し値オペは功を奏したと言えるのでしょうか。

 ◆ひとまずは成功です。ただ今後も国債や為替市場でまた似た動きが出てくる恐れはあります。米国と欧州のインフレ率は日本よりはるかに上で、米国は今後も金利を上げていきます。

 一方で日銀の黒田東彦総裁は、日本のインフレは当…

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。