
マツダは4月7日、新開発のディーゼルエンジンを搭載した新型スポーツ多目的車(SUV)「CX-60」を発表した。開発したのは3.3リッター直列6気筒という大排気量、多気筒の大型エンジンだ。世界の自動車メーカーが電気自動車(EV)やダウンサイジングにシフトするなかで、マツダはなぜ「逆張り」なのか。
オンラインで行われた記者会見でも、報道陣から「独フォルクスワーゲン(VW)の不正発覚以降、世界的にディーゼルは先細りになっている。マツダはディーゼルの将来性をどう考えているのか」といった質問が出た。
「ディーゼル復権の日は必ず来る」
これに対し、マツダの広瀬一郎・専務執行役員は「ディーゼルエンジンの地位が落ちているかのような風潮がありますが、内燃機関の効率を高めるのは私たちの使命です。ディーゼル復権の日は必ず来ると信じています」と答えた。
世界的にディーゼル車やガソリン車といった内燃機関の車の市場が縮小すると見られる中、「ディーゼルの復権」はあるのだろうか。
日産自動車は翌8日、EVの次世代技術の切り札となる「全固体電池」の開発状況を発表した。航続距離が現行電池の2倍、充電時間が3分の1になるという電池で、世界の自動車メーカーが開発を競い合っている。日産は2028年の量産を目指しており、内燃機関にこだわるマツダとは対照的だ。
ホンダは12日、30年までにEV30車種を世界で発売し、年間200万台超に生産を…
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川口雅浩
経済プレミア編集部
1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。