経済プレミアインタビュー

ウクライナ侵攻だけじゃない「物価上昇」の意外な要因

川口雅浩・経済プレミア編集部
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インタビューに答える上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト=東京都千代田区で2022年4月、宮本明登撮影
インタビューに答える上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミスト=東京都千代田区で2022年4月、宮本明登撮影

みずほ証券・上野泰也氏に聞く(1)

 「やはり経済というのは予想外のことが起きます」。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也さんは、ロシアのウクライナ侵攻で日本経済が直面する問題についてこう語る。予想外の第一はもちろんロシアの軍事侵攻だが、上野さんはそれ以外にも資源高につながる「伏兵」をいくつか指摘した。

 ――世界的に物価が上昇しています。今回のウクライナ侵攻が日本経済に与える影響についてどう考えますか。

 ◆ウクライナ侵攻はいろんな角度から日本経済に影響があります。まずエネルギーの問題です。ロシアは世界有数の原油と天然ガスの産出国ですから、ガソリン、電気、ガスなどの値上げを通じて日本の家計にも影響を及ぼしています。

 中小企業などはコストが上がっても、なかなか販売価格に転嫁できません。業況が悪化すると、雇用、賃金、投資などにも悪影響が及び、ダメージは大きくなっていきます。

久しぶりに登場した「インフレ」

 ――日本ではしばらく聞かなかった「インフレ」という言葉がメディアなどにも登場するようになりました。

 ◆今回の物価上昇は複合的な要因で起きています。ウクライナ侵攻前から原油や天然ガスなど資源高は始まっていました。これは石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国からなる「OPECプラス」が増産を上積みしないなど供給制約が要因でした。

 資源高については当初、一過性のものだという見方がほとんどでした。ところが経済とは予想外のことが起きます。今回も伏兵が出てきました。

 ――予想外のこととは何ですか。

 ◆一つはもちろんロシアのウクライナ侵攻です。世界3大産油国の一角を占めるロシアがこれだけの暴挙に出るとは予想外でした。ロシアは…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。