人生に必要な「おカネの設計」

65歳再雇用切れ後も働きたい「雇用保険」は入れる?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 会社員のA郎さん(64)は60歳定年後、再雇用されてフルタイムで働いてきました。65歳で雇用契約が終わり、その後は友人の会社で週2日だけ働くことが決まっています。

 A郎さんは、時間に余裕があり体調も良いため、それ以外にも働きたいと考えています。短時間勤務になると雇用保険に加入できないと思っていましたが、最近、シニアの加入を支援する新制度ができたと聞き、どんなメリットがあるのか知りたいと相談に訪れました。

65歳以上のダブルワークを合算

 雇用保険は、労働者が失業した場合に必要な給付を行い、労働者の生活や雇用を安定させ、再就職を支援する制度です。強制保険であり、パート・アルバイトか、正社員かといった働き方に関係なく、事業主は原則として労働者を必ず雇用保険に加入させなければなりません。

 ただし(1)労働者の週所定労働時間20時間以上(2)31日以上雇用が見込まれる――の二つの要件を満たしていることが前提になります。

 最近は、二つの会社を掛け持ちする「ダブルワーク」で働く人も増えています。どちらかの会社で週20時間以上働くのであれば、そこで雇用保険に加入しますが、2社とも20時間未満の場合は加入要件を満たしません。

 しかし、2022年1月、65歳以上に限り、この要件を緩和する「雇用保険マルチジョブホルダー制度」がスタートしました。

 65歳以上の人が複数の事業所で働く場合、そのうち二つの事業所の勤務を合算した週所定労働時間が20時間以上(1事業所では少なくとも5時間以上)になり、それぞれで31日以上雇用が見込まれれば、「マルチ高年齢被保険者」として雇用保険に加入できます。

 雇用保険料…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。