熊野英生の「けいざい新発見」

“悪い円安”と言わず「円安メリット」生かす投資を

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
  • 文字
  • 印刷
円安が進んでいる……1ドル=130円台をつけた円相場を示すモニター=2022年4月28日、前田梨里子撮影
円安が進んでいる……1ドル=130円台をつけた円相場を示すモニター=2022年4月28日、前田梨里子撮影

 日本の通貨・円は歴史的な安値水準にある。以前は円高恐怖症に苦しんでいた日本企業も、行き過ぎた円安を問題視するようになってきた。

 岸田文雄政権は4月末、物価上昇への対策を打ち出し、対策には新型コロナの時と同様に給付金が入った。どうやら物価上昇を止めるための対策ではなく、物価上昇の「痛み」を我慢する人々への対策のように見える。多くの人は、政治に頼ることなく自分で円安対策を考えなくてはならない。

米国の金利上昇を生かす

 為替変動には、円高であれ円安であれ、それぞれメリットとデメリットがある。円高の時は円高メリット、円安の時は円安メリットを追求するのが合理的だ。

 個人で投資する場合、円安の時は外貨運用でメリットを追求できる。これまでと環境が違ってきたのは、ドルの短期金利がプラスになってきた点だ。3月に米国はゼロ金利政策を2年ぶりに解除し、政策金利を0.25%利上げした。5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でもさらに大きく利上げされる見通しだ。

 もちろんドル投資には為替リスクがあり、円安の時に投資し、後に円高になると為替差損が生じる。しかし金利が上がってくると、仮に為替差損が出ても金利収入…

この記事は有料記事です。

残り1041文字(全文1539文字)

熊野英生

第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。