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岸田首相が表明「資産所得倍増」プランのモヤモヤ感

渡辺精一・経済プレミア編集部
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オンラインによる主要7カ国(G7)首脳会議について記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2022年5月9日、竹内幹撮影
オンラインによる主要7カ国(G7)首脳会議について記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2022年5月9日、竹内幹撮影

どうなる「資産所得倍増」プラン(1)

 岸田文雄首相が、少額投資非課税制度(NISA)の拡充などで「貯蓄から投資へ」の動きを進め「資産所得倍増を実現する」と表明した。近年、ファミリー層を中心に投資を始める流れが生まれており、それを支援するNISA拡充は歓迎だろう。だが、これまで首相が掲げてきた政策をみれば「資産所得倍増」プランは唐突で、モヤモヤした疑問も膨らむ。

現役世代は「NISA拡充」歓迎だが

 岸田首相は5月5日、ロンドンの金融街シティーで講演し、投資による「資産所得倍増」プランを示した。

 日銀によると、日本の家計金融資産は2021年末で2023兆円だが、54%は現預金で、株式・投資信託は15%と欧米に比べ小さい。

 首相はこのため、この10年間で米国は家計金融資産が3倍、英国は2.3倍になったのに、日本は1.4倍にとどまるとし、日本も「貯蓄から投資へ」の移行を大胆・抜本的に進めると語った。具体的には、NISAの抜本的拡充、預貯金を資産運用に誘導する仕組みの創設を挙げた。

 株式・投信の運用益は通常、税率約20%で課税されるが、NISAは一定条件下で非課税となる制度で、現在、一般▽ジュニア▽つみたて――の三つがある。

 年間投資枠があり、一般120万円、ジュニア80万円、つみたて40万円だ。時限的措置で、一般は24年から新NISA(年間投資枠122万円)に移行して28年まで、ジュニアが23年まで、つみたては42年までだ。

 拡充となれば、制度恒久化や年間投資枠拡大が考えられる。20~40代のファミリー層はつみたてNISAを活用して資産形成に取り組む流れがあり、拡充には立憲民主、…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。