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岸田首相「資産所得倍増プラン」NISA黒歴史の教訓

渡辺精一・経済プレミア編集部
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英国・ロンドンの金融街シティーで講演する岸田文雄首相=2022年5月5日
英国・ロンドンの金融街シティーで講演する岸田文雄首相=2022年5月5日

どうなる「資産所得倍増」プラン(2)

 岸田文雄首相が「貯蓄から投資へ」のシフトを進めて家計資産を増やす「資産所得倍増」プランを表明した。具体策には少額投資非課税制度(NISA)の拡充を挙げる。だが、NISAは、導入当初から政策目的が実態に見合わず、複雑で使いにくい制度になった経緯がある。拡充にあたり、その反省は生かされるのだろうか。

「期限・年間投資枠・非課税期間」の制限

 株式や投資信託の運用益には通常約20%の税がかかる。NISAは一定条件下でそれを非課税にできる制度で、現在、一般▽ジュニア▽つみたて――の3種類がある。

 一般は2014年に「23年まで」の期限付きで始まった。年間投資枠120万円が5年間非課税で最大600万円投資できる。

 ジュニアは16年に「23年まで」の期限付きで始まった。未成年者が口座開設し、親などが代わりに投資する。年間投資枠80万円が5年間非課税で最大400万円投資できる。

 つみたてNISAは18年に「37年まで」の期限付きで始まり、その後「42年まで」に延長した。一般とは併用できず、どちらかを選ぶ。一般と比べ、年間投資枠は40万円と少ないが非課税期間は20年間と長く、最大800万円投資できる。

 一般やジュニアの投資対象は現物株も含まれ幅広いが、つみたては金融庁が定めた要件を満たす「長期・積み立て・分散」投資に向いた低コスト投信に限定する。

 さらに、24年から、一般は「2階建て」型の新NISAに移行する。期限は28年まで。1階部分は年間投資枠20万円で、投資対象はつみたて同様の投信に限定、2階部分は同102万円で、一般同様に現物株など広く投資できる。ジュニアは23年で廃止になる。

激変緩和策から成長戦略へ

 NISAはこのように屋上屋を架す形で複雑化した。その要因は、政策目的と実態が見合わず、改…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。