経済プレミアインタビュー

訪日客ゼロからの再出発 女性社長のコロナ奮闘記

山口敦雄・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
ワメイジングの加藤史子社長=東京都渋谷区で2022年4月19日、前田梨里子撮影
ワメイジングの加藤史子社長=東京都渋谷区で2022年4月19日、前田梨里子撮影

コロナ禍サバイバル戦記(下)

 新型コロナウイルスの感染拡大で訪日客が途絶え、一時売り上げの98%を消失した訪日外国人旅行者向けのアプリを手がけるWAmazing(ワメイジング)社長の加藤史子さん(46)。すぐに地方自治体向けの観光に関する受託事業を始めるなど反転攻勢に出る。「旅はリアルでこそ価値がある」と語る加藤さんは、インバウンド大復活の日を見据える。

 ――空港で外国人観光客向けにSIMカードを配るサービスを2020年5月に停止しました。主力事業の休止はショックでしたか。

 ◆台湾が日本への渡航警戒レベルを1にした2月14日の時点で最悪のケースを想定していたので、ショックはそれほど大きくなかったです。SIMカード休止はコストの問題です。月に1人でも使う人がいると、メンテナンスのエンジニアや問い合わせのカスタマーセンターを稼働させなければなりません。ようやく5月下旬には再開する予定です。

地方自治体の観光DX事業に活路

 ――新たな事業を始めたのですね。

 ◆インバウンド事業はコロナ禍で実質ゼロになってしまいましたが、20年4月から国内向けのサービスを開始しました。一番売り上げが伸びているのは地方自治体などから受託した地域のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業です。

 例えば蔵王温泉スキー場(山形市)のリフト券のオンライン販売を支援しています。地方自治体などからの受託事業は、コロナ禍の初年度の20年7月期は1.3億円を売り上げ、21年7月期は3.4億円、今期は6.4億円を目標にしています。コロナをきっかけに新事業を開始でき良かったです。今期は過去最高の売り上げに…

この記事は有料記事です。

残り927文字(全文1623文字)

山口敦雄

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。明治学院大法学部卒、同大大学院経営学修士。ビジネス誌「週刊エコノミスト」編集部記者、毎日新聞出版図書第二編集部編集長、毎日新聞学芸部記者を経て現職。著書に「楽天の研究」(毎日新聞社)がある。