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資産倍増・岸田プランに盲点「現役と高齢者」の世代格差

渡辺精一・経済プレミア編集部
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どうなる「資産所得倍増」プラン(3)

 岸田文雄首相が表明した「資産所得倍増プラン」は、具体策として少額投資非課税制度(NISA)の拡充を挙げた。そのNISAは2024年に新しい枠組みに移行することが決まっている。その見直しの過程から、今後のNISA拡充の課題を考えよう。ポイントは、現役世代と退職世代との世代間格差だ。

24年に「2階建て」NISA登場

 NISAには現在、一般(年間投資枠120万円・非課税期間5年)▽未成年専用のジュニア(同80万円・同5年)▽積み立て投資専用のつみたて(同40万円・同20年)――の三つがある。

 一般とジュニアは現物株などに広く投資できるが、つみたては金融庁が認めた「長期・積み立て・分散」投資に向く低コスト投信に限定する。

 20年度税制改正で、このNISA制度は24年に刷新することとなった。つみたてはそのままで、一般は「2階建て」の新NISAに移る。ジュニアは23年で廃止となる。

 新NISAは、1階部分が年間投資枠20万円で投資対象はつみたてNISA同様の投信に限定し、2階部分は同102万円で一般NISA同様、現物株などにも広く投資できる。2階部分を使うには、「積み立て専用」の1階部分で少しでも投資するのが条件だ。

 「2階建て」というトリッキーな仕掛けの新NISAが登場したのは、深い事情がある。

 NISAの目的は「家計の安定的な資産形成と成長資金供給」の2本柱にあるとされてきた。だが、NISAは短期売買に活用されがちで、利用実態が目的にそぐわないことが明らかになる。

 その反省から、17年度税制改正で、「家計の安定的な資産形成」に特化する仕組み…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。