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スマホ割引2万2000円は撤廃すべし? アップルの主張は

石野純也・ケータイジャーナリスト
総務省の競争ルールの検証に関するWGでスマートフォンの割引について議論が交わされている
総務省の競争ルールの検証に関するWGでスマートフォンの割引について議論が交わされている

 総務省の有識者会議「電気通信市場検証会議」の「競争ルールの検証に関するWG(ワーキンググループ)」で、スマートフォンの割引販売の規制に関する議論が交わされている。

 5月11日のワーキンググループで規制の解除や緩和を訴えたのは米国の2社だ。2019年10月の電気通信事業法改正で、端末の割引(回線契約を伴う場合)は最大で2万2000円に制限されたが、この影響もあり、一部の高額な端末の販売が落ち込んでいるという。

 端末メーカーとしてアップルのAPAC(アジア太平洋)政務担当本部長のヘザー・グレル氏が発言し、「低料金プランの登場で(規制の)目的は達成できたとの観点から、端末割引の規制解除を検討してもらいたい」と訴えた。半導体製造のクアルコムも、一部高価格帯の端末に対して「端末割引の規制を緩和する措置を検討してほしい」と語った。

イノベーションが進まなくなる……

 2社が規制の解除や緩和を求めているのは、割引上限が規制されていることで、高額の端末の販売が落ち込んでいるからだ。高機能モデルの販売が減り、価格が安い端末の比率が一気に上がったため、メーカーの収益が悪化している。

 アップルの過去30カ…

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ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。