経済プレミアインタビュー

このままでは「悪い円安」もっと進む? その理由

川口雅浩・経済プレミア編集部
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毎日新聞のインタビューで「当面の最大のリスクは円安」と語る日本総研の河村小百合主席研究員=東京都品川区で2022年5月、川口雅浩撮影
毎日新聞のインタビューで「当面の最大のリスクは円安」と語る日本総研の河村小百合主席研究員=東京都品川区で2022年5月、川口雅浩撮影

日本総研・河村小百合氏に聞く(1)

 「このままでは日本にとって望ましくない水準まで円安が進む可能性がある」。日本総合研究所の河村小百合主席研究員は「当面の最大のリスクは円安」という。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の委員も務めるエコノミストが円相場と日銀の金融政策に危機感を募らせる理由とは?

 ――円相場は4月下旬に一時、1ドル=131円台まで円安が進みました。足元では1ドル=126~127円前後に戻っていますが、現状の円相場をどう見ますか。

 ◆為替の変動には財政などいろんな要因がありますが、今の円安は明らかに内外金利差が原因だと思います。日米の5年もの国債の金利差と円ドル・レートの推移をグラフにすると、昨年以降はぴったり一致します。

 1ドル=130円台の円安になると、輸入物価が上昇し、日本経済に与える影響は無視できません。さらに過度な円安が進み、もしも1ドル=140円台や150円台になったら、さすがに影響は大きいだろうと思います。当面の最大のリスクは円安です。

「低インフレ・低金利」の終えん

 ――そこまで円安が進む可能性はあるのでしょうか。

 ◆新型コロナウイルスの感染拡大を経て、昨夏ごろから世界経済はインフレ局面に転換しました。そこへロシアのウクライナ侵攻が重なって資源価格が高騰し、それまでの「低インフレ・低金利」の時代は過去のものになりつつあります。

 米国は金融政策の正常化を急いでいますが、安定的にインフレを抑えられるかというと、どうもそういう感じではありません。日銀が指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」などを行えば、ますます日米の金利差が開き、多分もっと円安が進むだろうと…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。