経済プレミアインタビュー

日銀の円安放置を誰が止める?岸田首相しかいない

川口雅浩・経済プレミア編集部
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参院予算委員会で質問に答えるため挙手する岸田文雄首相(左)。右は鈴木俊一財務相=国会内で2022年5月30日、竹内幹撮影
参院予算委員会で質問に答えるため挙手する岸田文雄首相(左)。右は鈴木俊一財務相=国会内で2022年5月30日、竹内幹撮影

日本総研・河村小百合氏に聞く(3)

 「今の日銀の金融緩和を止められるのは岸田文雄首相しかいない」。日本総合研究所の河村小百合主席研究員は日米の金利差拡大で一層の円安が進むことを懸念する。円相場は6月7日、一時1ドル=133円台まで円安が進んだ。日銀の金融政策を柔軟にするため、河村氏が岸田首相に求めるリーダーシップとは何か。

 ――日銀の黒田東彦総裁は来春までの任期中は利上げしないと見られています。

 ◆正直申し上げて、来春まで円相場が今の水準でもつのでしょうか。円安は止まらないかもしれません。なぜ黒田総裁の間は日銀が利上げしないと決めつけるのでしょうか。そういう雰囲気をメディアが作っているのではないですか。

 黒田総裁にすれば、世界的に「低インフレ・低金利」がしばらく続くので、来春の任期まで金融政策は現状維持できると思っていたかもしれません。ところが世界は「高インフレ・高金利」の局面に変わりました。

 日銀の中にも円安はまずい、金利を上げた方がよいと思っている人はいっぱいいると思います。日本の消費者物価は海外に比べそんなに上がっているわけではないので、輸入物価や企業物価の動向を見ながら、金融政策を柔軟にやりますと表明するだけでも違うと思います。

円の信認揺らぐ前に

 ――日銀は利上げに慎重です。このまま円安を放置してよいのでしょうか。

 ◆私は今の日銀の金融政策を止められるのは岸田首相しかいないと思っています。今の政策が続いたら、今後の状況しだいで円安が止まらなくなり、円の信認が揺らいでしまうかもしれません。そうなったら国家の財政破綻にも…

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川口雅浩

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。