
円安が再び加速している。日銀の金融緩和政策の継続が円安を促している面もあるが、筆者は、米国の長期金利(10年債金利)が3%を超えたことが主因だと考えている。
この2~3年、ドル・円レートと米長期金利はほとんど連動しており、米長期金利が上昇するとドル高・円安が進んでいる。日本の長期金利はこのところずっと0%前後なので変数として考慮する必要がない。
3月16日に米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を引き上げたが、その後にドル・円レートも一気に円安に動いた。一時は落ち着きを見せたものの、6月に入って円安の動きが再加速している。6月13日には135円を突破し、その先は140円台という見方もある。
日本が金融危機のさなかだった1998年には日本売りが起き、1ドル=140円台まで下落した。それ以来の140円台は起こり得るのだろうか。
米長期金利で説明できるドル・円レート
伝統的な為替予測は、ドル・円レートの変化をうまく説明できるデータを探し出し、そのデータの先行きを仮置きして、ドル・円レートの予測値を導く方法である。日米金利差に物価を加味した実質金利差を使うこともある。筆者は前述したように…
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