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携帯選び「オンライン」か「メタバース」が時代の流れ

石野純也・ケータイジャーナリスト
NTTドコモはドコモショップを3割程度縮小する方針。代わりにオンラインによる接客を強化
NTTドコモはドコモショップを3割程度縮小する方針。代わりにオンラインによる接客を強化

 携帯電話ショップの「オンライン化」が徐々に進んでいる。口火を切ったのはNTTドコモで、全国に2300店舗あるドコモショップを3割程度減らす代わりに、オンラインで接客を行うショップを導入する予定だ。ソフトバンクとワイモバイルは「メタバース(仮想空間)」上にショップを立ち上げた。それぞれの取り組みや背景を見ていこう。

単純なリストラではない

 ドコモが店舗数を減らすのは、来店客が減少しているからだ。井伊基之NTTドコモ社長は、NTTの決算会見で「かなりのお客様がオンラインで手続きをしていることに加え、端末購入サイクルも長期化しており、来店数は減少傾向が続いている」と理由を語る。オンライン専用料金プランのahamo(アハモ)が好調なことも、こうした傾向に拍車をかけているようだ。

 ドコモショップは他社と比べて店舗数が多いこともあり、商圏の見直しも必要だった。井伊氏は「エリアごとに適切な規模の店舗数を再設計する」と話す。閉鎖した店舗のスタッフは、オンラインでのリモート接客を担当する。

 一般的なオンラインストアとは異なり、顧客対応を行うスタッフを1カ所に集中させるのではなく、エリアごとに仮想のシ…

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ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。