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50代からの老後資産作り「イデコ活用」の基本とは

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 会社員のA雄さん(52)は、老後資金作りのため、個人型確定拠出年金「イデコ(iDeCo)」の口座を開設しました。イデコは65歳になるまで積み立て投資ができますが、若い人に比べると運用期間が限られるため「どんな運用商品を選べばよいか迷っている」といいます。どう考えればいいでしょうか。

充実老後のための「リタイアメントプラン」

 1970年生まれの人が90歳まで生存する確率は男性が4割、女性は7割あります。「人生100年時代」を見据え、リタイア後も充実した生活を過ごすには、その生活設計「リタイアメントプラン」を立てて準備する必要があります。

 自分らしく生きる暮らしを思い描き、そのための支出を見積もると、どのくらいの資金が必要なのかがわかります。特に、定年が視野に入る50代は、リタイアメントプランを具体的に立てることができる時期です。

 リタイア後は一般に、公的年金に加え、自助努力でためた資金を取り崩して生活します。50歳以上の「ねんきん定期便」には現在の年収のまま60歳まで働き続けた場合の受給見込み額が示されます。また、会社が定年前の社員向けに開く「リタイアメントセミナー」では退職金見込み額を知ることができます。

 リタイアメントプランを立てる際は「キャッシュフロー(CF)表」が役立ちます。CF表とは、将来に向けて、毎年の収入・支出の予想額を記入する表で、今後のお金の動きを数字で確認できるようになります。ぜひ100歳までのCF表を作ってみましょう。

 将来のインフレや賃金の増減を正確につかむことは難しいため、CF表はあくまで現時点での見通しですが、実際に作ってみると、多くの人が人生の終盤で貯蓄が底をつく結…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。