
米国で見たテスラ最新事情(2)
米国の電気自動車(EV)「テスラ」がニューヨーク(NY)で急増しているのを現地で確かめた筆者は、米国の地方都市も訪れてみることにした。流行の先端を走り、富裕層が多いマンハッタンに比べ、米国では地方に行くほどEVは少なくなるという。果たして本当なのだろうか。
「米国人は1日で400~500キロの移動であれば自動車を使います。高速道路の移動距離が長く、地方に行くほど充電設備が少なくなるEVは、米国社会ではあまり使い勝手がよいとは言えません」
日本の政府系機関のNY駐在員は、筆者にこう説明してくれた。一般にEVは航続距離の短さと充電時間の長さが弱点だ。筆者はこれまで日本で「日産リーフ」や「テスラ・モデル3」に試乗し、メーカーがこの問題をどう克服しようとしているかリポートしてきた。
筆者が2019年8月に試乗したテスラ・モデル3は、満充電で高速道路を450キロほど走ることができた。航続距離に問題はないが、高出力の急速充電器がなければ、使い果たした電池を満充電するには時間がかかる。NYのような都市部なら問題なくても、郊外の高速道路や地方では充電設備も少ないため、さすがのテスラも台数が少なくなるのではないか。
勝手にそんな想像をしながら、高速バスでNYからニュージャージー州を抜け、ペンシルベニア州のフィラデルフィアを目指した。
販売店なくとも普及
バスの車窓から高速道路を走るクルマを眺めて驚いた。高速道路(95号線)にはテスラが少ないながらも走っている。ざっと100台に1台くらいの割合で、途切れることはない。
NYから離れるほど、テスラは少なくなるが、…
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