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ニューヨークで急増「テスラ」充電スタンドなぜ見かけない

川口雅浩・経済プレミア編集長
米ニューヨーク市内の急速充電スタンドで充電し、出発する配車サービスのテスラ=2022年7月7日、川口雅浩撮影
米ニューヨーク市内の急速充電スタンドで充電し、出発する配車サービスのテスラ=2022年7月7日、川口雅浩撮影

米国で見たテスラ最新事情(3)

 米国の電気自動車(EV)「テスラ」がニューヨーク(NY)はじめ、米国各地で普及している。NYの中心部マンハッタンでは多くのテスラが走るが、街角で充電するテスラは見かけなかった。ニューヨーカーはテスラなどのEVをどこで充電しているのだろうか。テスラが増えて、充電スタンドは混雑していないのだろうか。

 スマホで検索すると、マンハッタンには数えきれないほど多くの充電スタンドがある。ただし、ほとんどが急速充電器ではなく、普通充電器で、駐車場の中に設置しているようだ。

 そのうちの一つ、ビジネス街から少し離れた住宅地の充電スタンドを見に行った。やはり地下の駐車場の中だった。

 そこにはテスラ専用のコネクターを持つ普通充電器が2基、テスラ以外のEV用が1基あった。しかし、最大出力が8キロワットと低く、これでは満充電まで何時間もかかってしまう。

 このためか、充電器の設置スペースにはEVではなく、米国製の大型ガソリン車が駐車していた。駐車場の管理人に「1日当たりEVが何台くらい充電に来るのか」と尋ねると、「ほとんど来ない。ほんのたまに来るだけだ」との返事だった。

大出力の急速充電器は?

 テスラは「スーパーチャージャー」と呼ぶ専用の急速充電器を世界に3万5000カ所以上設置している。日本国内の約50カ所に対し、NY州には約70カ所ある。このうちNY市内は約20カ所で、マンハッタンでは少なくとも4カ所で合計14基のスーパーチャージャーが稼働しているようだ。

 このうちビジネス街の地下駐車場にあるスーパーチャージャーを見に行った。ここではテスラ1台が充電中で、隣では初代日産リーフが…

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経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。