経済プレミアインタビュー

さらば雑誌不況!インプレスHD社長に聞く復活シナリオ

山口敦雄・毎日新聞経済部記者
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ジョージ・オーウェル著「一九八四」のテキストの入ったTシャツを着るインプレスホールディングスの松本大輔社長=東京都千代田区で2022年7月12日、山口敦雄撮影
ジョージ・オーウェル著「一九八四」のテキストの入ったTシャツを着るインプレスホールディングスの松本大輔社長=東京都千代田区で2022年7月12日、山口敦雄撮影

インプレスHD社長に聞く「雑誌」再生(上)

 山と渓谷社などの専門出版社を傘下に収めるインプレスホールディングス(HD)は、2021年8月に月刊誌「エアライン」を発行するイカロス出版を子会社化するなど、M&A(企業の合併・買収)を進めている。紙の雑誌が低迷する中、雑誌ビジネスのデジタルトランスフォーメーション(DX=デジタル技術による変革)を進めるインプレスHDの松本大輔社長(48)に出版業界の新しいビジネスモデルについて聞いた。2回に分けてお伝えする。

売り上げの5割がデジタル系事業

 ――出版業界が低迷する中、22年3月期決算は営業利益が前年同期比3.2%増の8億4800万円と好調でした。

 ◆電子書籍、電子コミック、デジタル楽譜などのデジタルコンテンツが伸びました。デジタル系の事業の売上高に占める割合が今では5割を超え、紙の出版事業を超えています。

 ――デジタル系の事業が伸びた背景には新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要もありましたか。

 ◆巣ごもり需要もあり、電子書籍が伸びました。グループ会社のリットーミュージックではギターやウクレレなどの楽譜もよく売れました。コロナ下で最も売れた楽器がウクレレです。

 ウクレレを弾くことによるリラックス効果もありますが、昔ギターをやっていて、もう一度始めるにはハードルが高いという人に、簡単に弾けそうなウクレレが人気でした。当社のウクレレの楽譜が非常によく売れ、「ウクレレ・マガジン」も好調でした。

 ――今年で創業30年を迎えました。この間、事業はどのように変わりましたか。

 ◆傘下の事業会社が増えました。最初はパソコン関係の出版事業のイ…

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山口敦雄

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。明治学院大法学部卒、同大大学院経営学修士。ビジネス誌「週刊エコノミスト」編集部記者、毎日新聞出版図書第二編集部編集長、毎日新聞学芸部記者を経て現職。著書に「楽天の研究」(毎日新聞社)がある。