経済プレミアインタビュー

インプレスHD社長「雑誌DX」で挑む新ビジネスモデル

山口敦雄・毎日新聞経済部記者
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インプレスホールディングスの松本大輔社長=東京都千代田区で2022年7月12日、山口敦雄撮影
インプレスホールディングスの松本大輔社長=東京都千代田区で2022年7月12日、山口敦雄撮影

インプレスHD社長に聞く「雑誌」再生(下)

 多くの専門出版社を抱えるインプレスホールディングス(HD)の松本大輔社長(48)は「ギター・マガジン」など音楽専門誌を手掛けるリットーミュージックの社長として雑誌のデジタルトランスフォーメーション(DX=デジタル技術による変革)を進めた実績がある。出版業界で雑誌の低迷が続く中、雑誌の新しいビジネスモデルを模索する松本社長に最新の戦略を聞いた。

 ――出版のコンテンツを有効活用するオンデマンドプリント(POD)のTシャツ販売を今年6月にスタートしました。このアイデアは、もともと社長がリットーミュージックで考案したそうですね。

 ◆コンサート会場ではアーティストやバンド名が入ったTシャツを売っています。従来だとTシャツを作るには最小ロットでも500枚、1000枚刷るのが当たり前で、在庫を抱えるリスクがあります。1枚からの受注生産のTシャツなら在庫もないし、売り切れの心配もありません。

 ――PODのTシャツを始めるきっかけは何ですか。

 ◆衣類に直接インキを塗布して印刷できるプリンターの存在と、それがアメリカで売れていることをブラザー工業の方に教えてもらいました。コンサート会場に印刷機を設置し、その日のコンサートの曲目をTシャツに刷ったら面白いなと考えました。

 「名前も入れられますか」と聞くと「できます」と言います。そこでプリンターを導入しました。コンサート会場で実績を積んできたので、この仕組みを音楽だけでなく出版のコンテンツの有効活用にも使えるのではないかと考えました。

 ――リットーミュージックでDXの導入が評価されたのも、インプレスHDの…

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山口敦雄

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。明治学院大法学部卒、同大大学院経営学修士。ビジネス誌「週刊エコノミスト」編集部記者、毎日新聞出版図書第二編集部編集長、毎日新聞学芸部記者を経て現職。著書に「楽天の研究」(毎日新聞社)がある。