
最近、食料品価格が高騰するニュースをよく目にする。そこで少し“変化球”を投げる分析をしてみたい。
食料品(含む外食)で価格変動がほとんど起きていない品目は何だろうか。総務省・消費者物価の「品目別価格指数」を使い、過去22年間(2000年1月~22年6月)で値段を据え置くことが多かった品目を調べてみた。変動が小さい、つまり、ずっと価格が据え置かれてきた品目のランキング(22年間の変動係数の小さい順)が下記である。
(1)緑茶<茶葉>(2)チューインガム(3)焼酎(4)宅配ピザ(5)食塩(6)豆腐(7)せんべい(8)発泡酒(9)中華麺(10)みそ(11)しょうゆ(12)粉ミルク(13)ビール(14)こんにゃく(15)酢
「和風」は値上がりしていない
これらの品目は、どのような特性でグループ分けできるだろうか。価格据え置きの共通要因を探ってみた。
一つ目は「和風」である。(1)緑茶(6)豆腐(7)せんべい(10)みそ(11)しょうゆ(14)こんにゃく--が該当する。消費者層に高齢者が多いと考えられ、年金生活者も多いと想定されるため、小売店は値上げを受け入れてくれないと感じやすい。調味料には洋食系(ケチャップ、ソース、マヨネーズ)と、和食系(みそ、しょうゆ、酢)があるが、最近は洋食系で急激な値上がりが起きている。
二つ目は「代替品」である。(3)焼酎(4)宅配ピザ(8)発泡酒は、いずれ…
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